ロバート・キャンベル著『井上陽水英訳詞集』を買う
ロバート・キャンベルの『井上陽水英訳詞集』(講談社)という本を買った。3000円近くするズシリと重い本だ。
実を言えば、今、マダムは失業中なのね。失業保険をもらいつつ、仕事を探しつつ、暮らしてる。
失業保険も出ているし、蓄えも少しはあるから、別に今すぐ困るわけではない。けれど、何が困ると言って、仕事をしていないと、余計なお金がかかるの。
時間がたくさんあるので、長いことあっていなかった友達に連絡を取って会いに行く。ずっとほったらかしになっていた家の中の小さな不具合を直したり、壊れたものを買い替えたり、手を入れる。忙しくてチャレンジできなかった料理を作ってみる。少し遠くまでドライブしてみる。・・・皆お金のかかることなの。
芝居のチケットは大半が失業前に買ってあり、今はその予定を粛々とこなしている。時間があるからといって、更に予定を詰め込んだら、たちまち予算オーバーだから、そこはブレーキがかかる。・・・というよりも、予算だけじゃなく、なにか精神的にもブレーキがかかってる。
フランスかどこか、失業者はタダで美術館とか劇場(?)とかに入れると聞いたことがある。失業してみて思うけど、それはなかなか理にかなってるよ。仕事がないという状態は、精神的に不安定になりやすいから、そういう娯楽が必要なんだよ。でもいちいちお金がかかるから、そうそう出かけてもいられない。
というわけでマダムは、前にも増して図書館にせっせと通い、せっせと本を読んでいる。
マダムの小さな家の本棚はぎっしりと詰まっているので、これまでもなるべく本は図書館で借りるようにしてきた。本を増やさないように努力してきた。お金も場所も節約できて、図書館はあらゆる意味でマダムの味方だ。今、一番はまっている作家は、津村記久子。
しかし、どうしても、自分のものにして、ゆっくりと好きなときに好きなだけ読んだり眺めたりすることが必要な種類の、本があるのね。
ロバート・キャンベルが『井上陽水英訳詞集』を出したと知ったのは2、3日前だったのだけれど、マダムのための本だ、と直感したの。もう絶対に手に入れなければならない。
というわけで読み始めている。まあ、なんという、豊かな言葉の世界なんだろう。
お金に問題がないのなら、ずっとこの世界に没入したままでもいいくらいなんだけど。
まあ、そういうわけにはいかないよね。
こんな状態がずうっと続くなら、どうしても入手したい本がもう一冊あってね。今もまだ、手に入るだろうか。トリュフォーの『ヒッチコック 映画術』という本だ。トリュフォーがヒッチコックにインタビューした本で、ヒッチコックの作品をほぼ網羅している。
この本を読みながら、ヒッチコックの作品のビデオを一つづつ観ていく。
もうそりゃ、人生の夏休みだね。
いや、冬休みかしらね、この歳だしさ。
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