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嘆きの王冠 『ヘンリー四世第一部・第二部』

 嘆きの王冠シリーズ、第二、第三弾の『ヘンリー四世』一部、二部、一気に見てきた。6月24日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷。
 
 大好きなシリーズ物なので、楽しんで観たものの、『リチャード二世』の出色の出来映えに比べると、少しトーンダウンするのだった。演出家が違うこともあって、画面の色(空気の色)が違う。全体にモノトーンがかっていて、印象がぼんやりするの。戦闘シーンなんて全部灰色で、何が何だかよくわからない(ただこれが、死にたくなくて唯うろうろしてるだけのフォルスタッフの目線だ、と思うと納得する)。

 リチャード二世でボーリンブルック(のちのヘンリー四世)を演じたロリー・キニアが王様をやらず、ジェレミー・アイアンズが演じていて。やっぱりハル王子のトム・ヒドルトンとの年齢的釣り合いを考えてのことかしら、と少し残念に思ったの。でも始まったら、ジェレミー・アイアンズの王様は、イメージぴったりだと感じた。なんのことはない、昨年末の記憶も新しい中嶋しゅうの王様と、そっくりなんだもん。プログラムの登場人物表の写真を入れ替えても、違和感ないと思う。神経質そうで憂鬱そうで、長いこと呪いを背中に背負いこんできたせいで、身体つきも既に枯れかけている。ぴったり〜。(ロリー・キニアだと枯れてないもんね。)

 このBBC版『ヘンリー四世』の主役は、マダムが舞台で観てきた『ヘンリー四世』とは違っていた。舞台ではタイトルロールのヘンリー四世は主役ではなく、主役はあくまでハル王子だったから。ハル王子の成長物語であったから。でも、BBC版は、呪われた王冠が主役で、その王冠の重みに耐えきれずに枯れていく王様と、その王冠を引き受ける決意をした王子のお話。切り口が違う、と感じたの。
 トム・ヒドルストン(通称トムヒ)は、上手くて素敵な役者だけれど、やんちゃ時代のハル王子をやるには、大人すぎていて、最初から成長しちゃっていたの。それともマダムの中に、松坂桃李と浦井健治のハル王子が刷り込まれちゃってて、さすがのトムヒでもそこに割り込むことができなかったということなのかしら?それとも、イギリスではハル王子っていうのは、あのくらい大人っぽいものとして定着しているのかしら?(でもあっちで見たハル王子の銅像は、ほとんど少年だったよ。)
 
 長いシェイクスピアの台本を映像にするとき大幅にカットされることは、当然よ。より良い効果が得られると思えば、改変もありうる。例えば『リチャード二世』では最後にロンドン塔でリチャードにトドメを刺す暗殺者を、本通りではなく、オーマール公に設定していた。マダムはなるほどね、それもありだね、って思ったんだけど。
 今回の『ヘンリー四世』では、何か大事なシーンがそっくり無くなってる気がして、気になって帰宅してから本をめくってみたのね。それでわかったのは、シュールズベリーの戦いの場で、王がダグラスに殺されそうになったとき、ハル王子が身を呈して王を守り、二人の間のわだかまりが溶けていく、そのシーンがなかったの!(それともマダムは寝ていた?)
 ここを切っても大丈夫、と演出家は考えたんだよね?
 どうしてかしら?・・・・演出家に訊いてみたくなった。

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コメント

マダム、またまたブログのアップ、早~い!
ホロウ・クラウン、面白いし、見ごたえありますものね😉

トムヒは凛々しかったけど、大人過ぎると感じました。やっぱりハル王子には未熟さや幼さを求めてしまう。蜷川演出で、松坂ハルと吉田フォルスタッフがじゃれ合うように走って来た印象が強いみたいです😉

映画を見ると、生の舞台が見たくなる。❤ホロウ・クラウン、素敵だけど、罪作りな映画ですね😉

Mickeyさま。
トムヒは、「ヘンリー五世」まで一気にやるための配役だったのかもしれませんね。
少年っぽさはなかったですもん。

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