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2017年2月

横田栄司 in チェーホフ!

 私生活的に忙しくて、しばらく劇場に行けないマダム。
 家のPCには、楽しみな芝居の予告が色々届くんだけど、やれ、来年2月だの、来年5月だの、来年9月だの!いくら面白そうでも、来年の話なんか、生きる糧にならなーい。
 そこへ、飛び込んできた、このニュースに、マダムは踊った〜!
 今年9月、ケラ演出のチェーホフ『ワーニャ伯父さん』に横田栄司出演〜。やったー、超楽しみ! ケラ演出のに出る、ってところが肝心でね。だって、一昨年のケラ演出『三人姉妹』がマダムが初めて面白いなあって感じたチェーホフだったから。それまでチェーホフはピンと来たことがなかったの。ケラリーノ・サンドロヴィッチ自身で上演台本を作ってる、ってところがミソなのではないかしらと、マダムは思っているのだけれど。
 はやる気持ち抑えきれず、『ワーニャ伯父さん』を読んでみた。
 実はうんと若い時、上演を観てるはず・・・なんだけれど、全然憶えてなくてね。確か俳優座の舞台だったということ以外、なあんにも憶えてない。ダメな舞台だったかどうかもわからないの。だって、マダムは寝てたのかもしれないしね。本も読んだと思うのに、何一つ覚えてないの。
 でも今回、読みながら、あーこの役は宮沢りえだよねー、あーこっちが黒木華だねきっと、あー、それでこれ、じゃなくてこっちが横田栄司!だって、あっちが段田安則だから・・・とか色々、色々思い浮かべたら、なんだか凄く面白く読めたの。役者を嵌め込んで読むと、会話が立体的になって、何も起こらなくても、面白いの。まあ、マダムの年の功もあるかもしれないけど。
 あ〜、早く彼がどの役をやるのか、知りたいなあ。あのいい声のセリフに、耳傾けたい。
 今年の横田栄司のラインナップは凄いのよ。だって、4月に鵜山演出のギリシャ悲劇でしょう? 9月がケラ演出のチェーホフでしょう? そしてたぶん(これは勝手にマダムが決めてるの。だって吉田鋼太郎芸術監督第1作に彼がいないなんて、ありえないからっ。)12月に吉田鋼太郎演出のシェイクスピアだよ?!
 マダムが好きな役者さんの中でも、こんな凄いラインナップの人はほかにいない。ちょっと、来てるぞ〜って思う。
 ほんとによかった。マダムも今年はこれで生きていける。だって、やっぱり一番好きなのはストプレなんだもん。ミュージカルも悪くはないけどさ・・・。でも。
 ぎっちり中身の詰まったストレートプレイに浸りたい。

 
 
 
 

王道をゆこうよ

 愛よね。愛がなくちゃね。かみしめながら、書き始めるわ。

 かつて、ミュージカルは苦手と公言してたマダム。最近はなんだかんだで、帝劇やら日生劇場やらに行ってしまうようになった。全ては、Starsのリーダー井上芳雄のせいよ。彼らの活動に熱狂しているうちに、ミュージカルにすっかり散財してしまってる。策士だよねー、井上芳雄。
 Starsの武道館コンサートで、キンキラキンの衣装で「最後のダンス」を歌われた日にゃあ、もう降参。思わずマダムは「トート、やってえーっ!」と叫んでしまい、そのあとホントにトートをやることになったんだから、凄いというか偉いというか。マダムのみならず、マダムの周りの友人たちも大挙して帝劇に押し寄せることになったの。
 でも、トートに辿り着いたあと、彼は少し立ちすくんでいるように思える。

 彼が『黒蜥蜴』に出演するという記事を読んで、マダムは唸ったわ。いったいどこへ行こうとしているんだ、貴方は。そのあとも次々、ストレートプレイのラインナップが聞こえてくるけれど、マダムはどうも気が進まない。それはマダムのみならず、まわりにいる、マダムより昔から彼をずっと観てきたファンも同じ様子で。
 はっきり言うけれど、これは彼が結婚したからでは断じてない。もしファンの気持ちが揺れているのを、結婚したからだと考えているなら、その考えこそが、ファンが離れるいちばんの理由なの。ファンはね、結婚しようが離婚しようが、また結婚しようが、実はそんなことはどうでもいい。舞台で輝きを放ってくれればそれでいいの。その輝きに翳りが見えるから、みんな付いていくことに躊躇しているのよ。そこを理解しないなら、それを結婚のせいにしてるなら、今の壁を乗り越えることはできないよ。みんな、彼が壁に直面してるのを感じてる。バカじゃないのよ、ファンは。

 模索しているんだってことは、よくわかるの。でも、やっぱりマダムは彼に歌ってほしい。彼の魅力の80パーセントが歌なの。そこを極めてほしい! もうストレートプレイで修練しなくていい。いまさら修練なんか見たくない。ミュージカルを極めようよ。修練ならミュージカルでしようよ。逃げないで。だって・・・数多いるミュージカル界の王子たち(浦井健治や山崎育三郎、中川晃教や城田優、田代万里生etc、etc)のなかで、井上芳雄こそが皇太子だと思うから。王になることを嘱望されているの。そういう道を歩んできたでしょう?それを王道と言わずしていったい何が王道でしょう?
 だから。
 井上芳雄は・・・・ジャン・バルジャンをやるべきだ、とマダムは思うの。
 言っとくけど、ジャベールじゃダメなの。ジャベールは彼に向いてる役。すぐ出来ちゃうから。それじゃダメなの。自分の殻を破り、壁を乗り越えて、ジャン・バルジャンをやれるミュージカル俳優になってほしい!
 そうしたらまた、マダムたちは大挙して、帝劇に押し寄せるよ。ちょっと悔しいけど。マダムはまだ、日本のミュージカル、認めてないからさ。でも、マダムをミュージカルの世界に誘ったのだから、責任があるのよ、貴方には。
 だから。ジャン・バルジャンを目指せ!
 狭き門より入れ。王道を行こうよ。Climb Every Mountain!
 
 マダムの声が彼に届くかは甚だ疑問だけど、そして何様のつもりだって言われちゃう恐れを乗り越えて尚、マダムは言いたかったの。何も言わずに去るには、愛がありすぎる。

 

『ビッグ・フィッシュ』を観る

 黄色と青の組み合わせは大好き。2月12日(日)マチネ、日生劇場。

『ビッグ・フィッシュ』
脚本/ジョン・オーガスト 音楽・詞/アンドリュー・リッパ
演出/白井晃
出演 川平慈英 浦井健治 霧矢大夢 赤根那奈 藤井隆
   JKim 深水元基 りょうた 鈴木蘭々 ROLLY ほか

 
 とても良いミュージカル。楽しくて、美しくて、ほろ苦くて、じーんとする。
 やっぱり、どんなにきらびやかに作ってあっても、物語の底を流れるテーマがなくては良いものはできないのだわ。

 大袈裟な語りが大好きな父エドワード(川平慈英)と、そんな父を斜めに冷ややかに見ている息子ウィル(浦井健治および子役のりょうた)の物語。
 結婚を控えてウィルは、しばらく離れていた実家に時々行くようになるの。実家は彼にとって少し苦い思い出のあるところ。父エドワードの何事も大袈裟に語るところが、ウィルは苦手なの。
 そこから回想になって、ウィルが幼い頃、エドワードが話してくれたあらゆる体験談が、夢のように次々舞台上で繰り広げられるのが楽しい。若い頃に夜の森で魔女に出会い、自分の一生(特にどんなふうに死を迎えるか)について予言をきいたこと。故郷の村に巨人がやってきて、みんなは恐れたけど自分だけは友達となって一緒に旅したこと。奥さんのサンドラとは、サーカスで働いている時に出会って、一目惚れしたこと・・・だけど、幼い頃は楽しかった父の話も、年を重ねるごとにウィルは、胡散臭さを感じるようになる。実際、大人になったウィルとは、親子の真面目な会話が成立しない。釣り上げた魚の大きさが何倍にも語られるように(ビッグ・フィッシュ!)、全てが嘘くさく、押し付けがましくて、ウィルは本当の父はどんな人なのか、さっぱり理解できない。
 その気持ちを歌った歌「Stranger」が素晴らしいの。自分の父親で、いろんな話をしてくれたけれど、でも「知らない人」なんだ、よくわからないんだ、遠いんだ、って歌ってる。この曲、浦井健治単独コンサートのとき歌ってくれたんだけど、そのときと印象が全然違ってた。コンサートのとき「まだ白井さんの演出を受けてないので譜面通りに歌います」ってヘンな前置きして歌ってくれたんだけど、そしてそのときも、なかなか良い曲だなとは思ったけれども、演出を受けウィルという役になって歌うと、こんなにも切々と胸にくる歌になる。役者歌、ますます健在だー。
 
 結婚したウィルにもうすぐ子供が生まれるという頃、エドワードの病気が見つかり、死期が近いことがわかる。それと同時に、ウィルは父の机の中から、知らない家の権利書を発見して、父には秘密がある、と思うのね。権利書にはエドワードの名前の他に、見知らぬ女性の名もあって、ウィルは、この家があるエドワードの故郷の町に行ってみることにするの。お父さんには、お母さんの他に女がいたんだ、とウィルは考える。お父さんは、それを隠すために、あんなホラ話ばかりしてきたに違いない!
 果たして、権利書の示す住所には小さな家があり、テラスで編み物をしている老女がひとり。ウィルが近づいていくと、彼女ジェニーはひと目でエドワードの息子だとわかり、話してくれるの。エドワードが家族にも話さなかった、故郷の町に起こったこと。エドワードがジェニーにしてくれた全てのことを。
 大袈裟な父が隠していた本当のことは、ウィルのわだかまりを解かすのだけれど、それと同時にエドワードには死が訪れるの。
 父親の隠された秘密がわかってやっと「Stranger」じゃなくなったときには、もうこの世にはいない。それって、人生の真実かもしれないね。
 
 役者さんたちがみんな、なかなか良かった。歌も踊りも演技も上手い人たちが揃ってる。これ、日本のミュージカルだと、まだなかなか無いことなのよ。
 サンドラ役の霧矢大夢、初めて見たけど、老夫婦のときと回想シーンの若いときが交互にやってきても、どちらも自然で、上手いなあって思ったわ。若いときの踊りがとても可愛かった。
 川平慈英は言わずもがなの上手さだったわ。そして、マダムは30年くらい前に初めて彼の名前を憶えた日のことを思い出した。あれは坂東玉三郎初演出の「ロミオとジュリエット」。主演の真田広之を見に行ったんだけれど、劇場を出たときには「誰、このティボルトやってる人。なんなの、このインパクト。かびらじえいっていうのか・・・」ってことで頭がいっぱいだったあの日のことを。
 さらに演出の白井晃。回想シーンが楽しくて美しかったんだけど、ふと、遊機械全自動シアターの円形劇場がよぎった。これももう30年前になるのね・・・。
 遠くまで来ちゃったよ。と思っちゃったマダムでした。
  

野田地図の『足跡姫』

 前のほうの席、歌舞伎座の客層に混じって座ったわ。2月2日(木)ソワレ、東京芸術劇場プレイハウス。

NODA・MAP公演『足跡姫 時代錯誤冬幽霊 ときあやまってふゆのゆうれい』
作・演出/野田秀樹
出演 宮沢りえ 妻夫木聡 古田新太 佐藤隆太 鈴木杏
   池谷のぶえ 中村扇雀 野田秀樹 ほか
 

 年明け以来、かなり無理しながら劇場に行ってたんだけど、無理のしわ寄せがやってきてね。もう、レビュー書けない。ちょっとエネルギー、枯渇しました。
 シェイクスピアについては身を削ってでも書いたんだけど、野田地図については他にもレビューを書く方が沢山おられるだろうし、そちらに委ねることにするわ。
 すまぬ。

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