最近の読書

« 石井桃子は私の母だった | トップページ | 大人の男の格好良さ 『ジュリアス・シーザー』その2 »

大人の男の格好良さ 『ジュリアス・シーザー』その1

 台風が遅れてくれてよかった。10月12日(日)マチネ、さいたま芸術劇場大ホール。

彩の国シェイクスピア・シリーズ第29弾
『ジュリアス・シーザー』
作/シェイクスピア 訳/松岡和子
演出/蜷川幸雄 演出補/井上尊晶

 最近、楽しみ過ぎてテンションがおかしくなったまま観劇の日を迎えることが多くなってる。
 『ジュリアス・シーザー』もそう。衣装をつけた稽古場写真を雑誌で見ちゃったら、格好良過ぎて倒れそうになり、そのうえ本物からコメント来ちゃったりしたから、もうテンションうなぎ上りで。
 さらにチケットを改めて見たら、なんとB席。2列目だわ、すご〜い。って、劇場に行ってみたら、A列は存在してなくてB列が最前列であることを知ったの。絶句。
 階段状に組まれたセットは、マダムの足元まで切れ目なく伸びていた。なので、開演するなり林檎が転がり落ちてきてマダムのブーツに当たったのを皮切りに、1.5m先の吉田キャシアスと目が合いそうになったり、藤原アントニーの翻したマントが触れそうになったり、戦闘シーンで槍が頭上を通過したり、臨場感なんてもんじゃなく、臨場そのもの。特にシーザー暗殺の場面では、噴き出した血しぶきの宙を飛ぶ動線がありありと見え、キャーッと悲鳴をあげそうになってしまったくらい。
 なので、このレビューは、全然冷静じゃありません。そのつもりで、読んでね。

 とにかく、男たちがメッチャ格好良かったー。
 しょっぱなのシーザー、アントニー、ブルータス、キャシアスが揃ってるシーンは、もう眼福〜!! なんなの、あの格好良さは!純白の長いガウンのような美しい衣装。裾を翻して歩く大人の男の格好良さ。最近若いイケメンをそろえた芝居がいろいろあるけど、そんなの目じゃないわ。イケメンでも演技力の伴わない奴なんか、見なくて良いの。
 注目の横田シーザーは、貫禄充分。堂々のタイトルロール。凄く大きく見え、歩き方も重厚感みなぎってた。演技の大きさもそうなんだけど、実際かなり体重を増やして臨んだのではないかしら。もともと背の高い人だけど、横にも大きくなってて、どっしりした体躯とメイクがあいまって、これまで見たことのない横田栄司だった。タイトルロールだけど実は出番が多くはないので、現われただけで圧倒的な存在感を示さなきゃならない。精神的にも肉体的にも、何人もの男たちが寄ってたかってかからなければ倒すことのできない巨大な存在だってことを、体現してたわ。
 藤原アントニーは、ああ、やっぱりこの人は舞台の人、と思わせるオーラがあった。実はマダムは彼のシェイクスピアを見るのがほとんど初なの。ロミオもハムレットも映像でしか見てないし、ドーラン版ヴェニスはマダムの中ではカウント外なので。シェイクスピアの世界がとても似合う役者、と改めて思ったわ。それも、恋愛ものではなく権力闘争ものが実は向いてるのかも。金色の髪で白い衣装の裾をなびかせて歩く姿を、眼が勝手に追ってしまう。自分が舞台に出て行った時にはみんなが自分を見ていると、信じて疑ったことのない人のオーラなのよね。
 阿部ブルータスは、鍛えた身体が美しくて。台詞術はまだまだだけど、ブルータスの愚直さ、正しいことを求めてはいるけど人の心をわかってない武骨なところが、立ち姿に表れてて、ぴったりなの。
 そして吉田キャシアス。熱情あふれる男を演じると、この人は水を得た魚のよう。キャシアスが立っているだけで、不満が躯に充満しているのがわかるし、口を開けば、言葉の意味を何倍にもして手渡してくれる。キャシアスは物語を牽引していく役だけれど、役以上に、吉田鋼太郎がこの芝居をぐいぐい牽引していくのが、手に取るようにわかったの。
 
 芝居全体についてはその2で、ね。

« 石井桃子は私の母だった | トップページ | 大人の男の格好良さ 『ジュリアス・シーザー』その2 »

シェイクスピア」カテゴリの記事

吉田鋼太郎」カテゴリの記事

横田栄司」カテゴリの記事

芝居レビュー 」カテゴリの記事

藤原竜也」カテゴリの記事

蜷川幸雄」カテゴリの記事

コメント

Viola-sama
こんにちは。
待ちに待った『ジュリアス・シーザー』、期待通りの舞台でしたね!
私の観劇は11日。左端でしたが、D列!セットの階段はかなり急で、見ていて首が痛くなりましたが、アントニーもシーザーの亡霊も近くに見えて、テンション上がりました。

左ブロックだと、ブルータスとキャシアスは少し遠かったのですが、キャシアスの目配せ、いら立ちなど、鋼太郎さんの一挙手一投足に目が釘付けでした。横田シーザーは、英雄なのに迷信深かったり、愛嬌もあって、大きな人物に見えました。藤原アントニーは1幕ではシーザーに心酔するさまが微笑ましかったのに、シーザーを失ってからは策略をめぐらし冷酷さを身につけていく様子に引き込まれました。主役4人は全員声も姿も演技も良くて、シェイクスピア劇にぴったりでした。藤原君はここ最近の舞台では一番のカッコ良さでした。
その2、楽しみにしています。

 こんばんわ!7年間 マダム ヴァイオラ様の観劇日記を愛読しているよしよしです。マダムは私の演劇の師匠と思っています。
 なんと日曜日、マチネ最前列で観劇とは!!私も最前列でした。あこがれのマダムのすぐそばにいたのですね。ずっと心臓の鼓動が鳴りっぱなしの興奮状態の3時間でした。目の前には古代ローマが出現して、ローマ市民になってシーザーの暗殺を目の当たりにしているような迫力に満ちた劇でした。本当にすごかった。難しいセリフの応酬なのに、力強い言葉がぐいぐい入り、激しく心が揺さぶられました。配役が本当にぴったり。もう1度見たくてまたチケットを取ってしまいました。私も竜也君のシェイクスピアは初めてでした。ハムレットがまた楽しみになってきました。
追伸 まさかマダムがSTARSのとりこになるとは?STARSの記事もとても楽しみにしています。あまりにうれしくて拙いコメントをしてしまいました。

Mickeyさま。
藤原君、衣装が似合ってましたねー。テレビなんかで見かける今の若者ファッションの、何倍もの似合い方。ずっと、あの衣装でいてほしいです。
普段プログラム買わないのですが、凄く迷いました。結局買わなかったんだけど(爆)
 
よしよしさま。
こんにちは。よしよし、という名前ということは、あの方のファンでしょうか?
私に憧れてくださるなんて、照れます。それはやめて、是非、役者さんに憧れてください。
最前列は、治外法権でしたね。とてもじゃないけど、客観的に語れません。
2度目も見たら、またコメント欄にいらして下さいね。何か、変化があったら教えてください。

はじめまして。通りすがりのうにこです。
私も今日、センターブースの最前列通路横席で観てきました!

B列だから2列目と思って席に行ったら最前列で
思わず友達と泣いてしまったぐらい驚きました。

蜷川さんのシェイクスピアシリーズは毎回観に行きますが、
今回は大好きな役者さんたちばかりの超豪華な面々だったし
とても見応えがありました。

私の席はちょうど演者が走り抜けるINコースになるため
藤原君や阿部さん、鋼太郎さんなどのマントが私の足に絡まるので
ドキドキでした!
手や衣装にしたたる血も、洋服に付きそうなぎりぎりの距離感でしたので
その時はややよけ気味で(笑)

明日も観に行ってきます。
明日は2F最後列です
両方芸術劇場さんの先行で取ったけど極端ですよね(笑)

うにこさま。
B列が最前列って、早めに言ってほしかったですよね。劇場についてから知るのは心臓に良くないです。
多少首が痛くなりましたけど、何物にも代え難い臨場感ですよね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 石井桃子は私の母だった | トップページ | 大人の男の格好良さ 『ジュリアス・シーザー』その2 »

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

関係するCD・DVD

無料ブログはココログ