最近の読書

« 祝受賞!吉田鋼太郎 | トップページ | チャリティの壁を越えて 『ダディ・ロング・レッグズ』その2 »

チャリティの壁を越えて 『ダディ・ロング・レッグズ』その1

 子供の受験も終わって、凄い開放感。3月15日(土)マチネ、シアタークリエ。

 
『ダディ・ロング・レッグズ〜足ながおじさんより』
音楽/作詞 ポール・ゴードン  原作 ジーン・ウェブスター
翻訳/訳詞 今井麻緒子  脚本/演出 ジョン・ケアード
出演  井上芳雄 坂本真綾
 
 今年は観る芝居観る芝居、みんな良いのよ。当たり年かなあ? はたまたマダムの選択眼に更に磨きがかかったということかしらん。
 
 「足ながおじさん」が書かれたのが1912年。ちなみに『マイ・フェア・レディ』の原作「ピグマリオン」が書かれたのが1913年なのだそう。今から100年前。二つの作品はとてもよく似てる。どちらも金持ちの上流階級の男性が、貧しい女の子に慈善を施して、育て上げるお話。そして結ばれたり結ばれなかったりするんだけれど、うっかりすると鼻持ちならないお話しになってしまいそう。
 でもこの舞台は、とてもよかった。子供の頃一度だけ読んだ原作の印象(超薄れてる)ともまた違って、今の観客に訴えるようによく考えて、練り上げられているの。それはどんな部分か、と言うと。
 
 まずひとつには、ジャービス(井上芳雄)の人物設定ね。原作は、ジュディの手紙オンリーで出来上がっていて、ジャービスがどんな気持ちでいるか、最後までさほど書かれていない(と記憶してる)。だけど、井上ジャービスは芝居の9割くらいの時間帯ずっと舞台上にいて、ジャービスとしての台詞はとても少ないのに、その心がどんどん伝わってくるの。脚本が、上手いわ。
 彼は生まれながらのお金持ちで、孤児院の理事を務め、慈善活動に関わっている。そして高等教育を受けるにふさわしい子がいたら、学費を援助する。でも、ただの慈善家じゃない。
 ジャービスは、お金持ちの一族に馴染めずに大人になり、薦められる結婚には心惹かれず、孤独な青年だということ。つまり、生まれがお金持ちのジャービスと、孤児だったジュディは、実は二人とも孤独で、一人静かに物事を考えるタイプという共通点があるわけよ。だからこそ、惹かれあい、最後はハッピーエンドになるの。
 
 もうひとつは、自分が「ダディ・ロング・レッグズ」であることを隠してきたジャービスがジュディを愛していると自覚した時の、苦しみが描かれていることよ。お金を与えた方は、愛をお金で買うことになりかねないから。そうなりたくなくて、ジャービスは凄く苦しむの。慈善を施した者と施された者との間の壁。それを乗り越えて、愛を伝え、愛を得ようをすることの葛藤。それが「チャリティ」という歌に結実していて、じーんと来た〜。
 
 長くなったので、役者についてはその2で。
 
 

« 祝受賞!吉田鋼太郎 | トップページ | チャリティの壁を越えて 『ダディ・ロング・レッグズ』その2 »

井上芳雄」カテゴリの記事

芝居レビュー 」カテゴリの記事

コメント

マダムさま
おはようございます!!

『ダディロングレッグズ』の感想待ってました。
そして、
『やった、ばんざーい!!!ヽ(´▽`)/』(分かりますか?)っていう、感じです。

とっても、好きな作品で、ミュージカル好きの典型である私は何度もリピートしているのですが、毎回グッとくるセリフや歌が違います。

マダムの感想を改めて文字で読んで、うんうん、そうそう!とうなずく事しかり…。
あまりの嬉しさにその2を待たずにコメントしてしまいました。

とりあえず、ストレートプレイをこよなく愛してらっしゃるマダムのお眼鏡にも、
愛すべき作品として、映ったようで嬉しいです。その2も待っています!!

えがよし

えがよしさま、反応メチャ速いです。
嬉しいです。
子供の卒業式、説明会、制服注文などなどありまして、その2は、努力中です。お待ちくださいませ。

StarSの罠にまんまとハマルの巻ですね。

私は、この作品、初演から見るのを躊躇していて、未だ果たせず。
ひとつは「足ながおじさん」的なヒューマニズムが苦手なこと。
もうひとつこのテの芳雄君は初期作品を見すぎていて、けっこうお腹いっぱいなこと。
とか、まあいろいろありまして(笑)。
評判良いのはわかっているんですけどね。
マダムの感想読んで、観た気にひたることにします。

マダム、久しぶりにコメントさせていただきます。
以前二都物語の記事にコメントしました、芳雄くんファンのヒバリです。

「ダディ・ロング・レッグズ」ご覧になったのですね!
観ていただけてとても嬉しいです。
作品そのものも、また役者の芝居力を味わうという点でも、珠玉の作品と感じます。
個人的には、ジルーシャとジャーヴィスのラブロマンスだけでく、
一人の女性の成長と自立をしっかりと描いた作品だというところがとても好きです。

マダムも気に入っていただけたようで嬉しいです。
感想その2も楽しみにしていますね!

ぷらむさま。
なにが悔しいって、井上君の術中にハマっているのが悔しいですね。
私も「足ながおじさん」は子供の頃一度読んで、あ、そ、って思って放り出しました。苦手な分野です。だから、眉にツバつけて行ってみたら、ジョン・ケアードもそこはただもんじゃなかったのですね。
 
ヒバリさま。
そうです、皆様のお薦め通り、観ましたよ〜。
歌い上げすぎないミュージカルだったので、私の範疇でした。
その2はね、ちょっと、お待ちください。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 祝受賞!吉田鋼太郎 | トップページ | チャリティの壁を越えて 『ダディ・ロング・レッグズ』その2 »

2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

関係するCD・DVD

無料ブログはココログ