最近の読書

« 天才を表現するには 『非常の人何ぞ非常に』 | トップページ | 井上芳雄オンステージ『二都物語』 その2 »

井上芳雄オンステージ『二都物語』 その1

 忙しい7月のトドメはこれよ! 帝国劇場、7月27日(土)マチネ。

『二都物語』
原作 ディケンズ 
脚本・作詞・作曲 ジル・サントリエロ
追加音楽 フランク・ワイルドボーン
翻訳・演出 鵜山仁
出演 井上芳雄 浦井健治 すみれ 濱田めぐみ 橋本さとし
   今井清隆 岡幸二郎 ほか

 マダムは『ヘンリー六世』『リチャード三世』のせいですっかり浦井健治ファンになり、ここまで来てしまったんだけど、今日は今日で、井上芳雄にやられてしまったよ〜。ホント、どこまで素敵なんだか・・・。あー、ため息。
 
 8月終わりまでずっと続く公演。これから観る方、多いと思うので、井上芳雄が素敵なのよ〜ってことで、ここで終わっておいてね。マダムが書くことを読んじゃってから観るのは、つまらないと思うから。観てから、また来てくださいな。いいかしら?
 
 
 芝居全体としてはまだまだ未完成なのかな、って感じたわ。
 本邦初公開の作品だし、翻訳したてのほやほやだし、いろいろ手探りなのかな。あるいは、おおもとの脚本にすきまがあるのかしら。
 フランス革命を背景に、シドニー・カートン(井上芳雄)とチャールズ・ダーニー(浦井健治)とルーシー(すみれ)の三角関係の行方を描く・・・という物語なんだけれど、ドラマ(葛藤)のほとんどがカートンだけに集中しちゃっている。ダーニーがルーシーを好きになるきっかけとか、じゃあルーシーはダーニーをどうして好きなのかとか、ダーニーがフランス革命まっただ中のフランスへ戻る時に、家族のことをどう考えたのかとか、細部が全然描かれないのよね。最後のカートンの犠牲を、ルーシーがどんな風に受けとめたのかも、全然わからないの。
 浦井健治やすみれの演技に不足があるのか、そういう演出が足りないのか、そもそも台本に欠けたところがあるのかしら? 浦井健治は演出されればちゃんと表現できる人だと思うので、マダムとしては彼のせいではないと思っているんだけれどね(えこひいき)。
 だから、カートン一人が三角関係の葛藤を請け負っちゃってる。ていうか、そもそもこれは三角関係なのかしら? ただただカートンが勝手に横恋慕して、勝手に自己犠牲してる状態になっちゃってる。これは、こういう芝居? いや違うはずよね。もう少しダーニーとルーシー、特にルーシーの心の揺れを描いてほしい。そうなれば、もっともっと芝居全体がダイナミックに盛り上がるのに!

 一方のフランス革命側の描きかたは、やけにどす黒い。
 貴族に兄弟を殺され、徹底的に恨んでるマダム・ドファルジュ(濱田めぐみ)は、恨み炸裂。罪の無いダーニーを一族だというだけで処刑台に送ろうとする。彼女だけ、突出して炸裂してるので、一人だけ凄くこわい人になっちゃってるのよね。
 あまりに過酷な運命を背負ってしまった人は皆、こんなふうになってしまうかもしれないんだけれど。でも、そうは感じられず、彼女が異常な狂気を持った人に思えてしまう。マダム・ドファルジュの出てくるシーンと、カートンやダーニーの出ているシーンの、トーンが違い過ぎて、肩が凝ってしまった・・・。 

 というふうに、一本の芝居としては未熟な要素が沢山あるんだけれど、それでも観てよかったなあ〜って満足したのは、ひとえに井上芳雄の存在が大きかったよー。彼については、その2で。

« 天才を表現するには 『非常の人何ぞ非常に』 | トップページ | 井上芳雄オンステージ『二都物語』 その2 »

井上芳雄」カテゴリの記事

浦井健治」カテゴリの記事

芝居レビュー 」カテゴリの記事

コメント

私も先日観て、同じようなことを思いました。恋愛模様がぜんっぜんわかんない。
シドニーの崇高な自己犠牲がひとり相撲過ぎますよね?
シドニーがルーシーに惹かれるのは、わかりますよ。
飲んだくれで、どうしようもない自分を、初めて人間扱いしてくれた、良いところのお嬢さん。
そりゃ、惚れるでしょ。
でも、ルーシーは、彼を男として見てるようには思えないし(ただ親切なだけ)、
チャールズに対しても、さほど愛情があるように見えなかったです。

別の友人は、シドニーの背景が全然描かれてないのが不満と言ってました。
なぜ、あんな飲んだくれになったのか、なのに弁護士やってるのは
どうしてなのか・・・・などね。確かに。

チラシや宣伝関係では、W主演っぽい案内でしたが、完全に井上くんの単独主演でしたね。
集客上の作戦なんでしょうか。
浦井くんくらい天然なカワイコちゃんじゃないと、あのダメ男ポジションで
観客から愛されるのは難しいと思いますが、
浦井くんは、もっと出来る子なので、もうちょっと場面を任せてあげて欲しかったです。

ぷらむさま、こんばんは。
そうなんです。
確かに井上君は素敵で、その2でも思いきり書きますが。
でも、わたしはてっきりW主役で、浦井君も素敵さ満載になると思っていたので、期待はずれでした。ふたりで素敵さ比べしてもらって、倒れたい(!)と思ってたのに〜。
しかし、すみれさんはさばさばしすぎて、ヒロインっぽくなかったですね。
この芝居のヒロインはマダム・ドファルジュでしょうか。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 天才を表現するには 『非常の人何ぞ非常に』 | トップページ | 井上芳雄オンステージ『二都物語』 その2 »

2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

関係するCD・DVD

無料ブログはココログ