最近の読書

« 小田島先生、恋に落ちる | トップページ | 友達が作家になった! »

G2に出会う 『リタルダンド』

 左手日記その3。

 渋谷駅からパルコ劇場までのたった10分間で、脳が融けかけたマダム。暑過ぎるわ〜。7月17日(日)、マチネ。

『リタルダンド』
作・中島淳彦 演出・G2
出演 吉田鋼太郎 一路真輝 山崎一
   伊礼彼方 市川しんぺー 他

 評判高かった『ガマ王子〜』を観ていないどころか、G2は初めて。チラシに小さく書かれた「音楽劇」の文字が心配の種だったの。
 だって、主演の吉田鋼太郎の相手は、なんと一路真輝。エリザベートではないですか!山口祐一郎のトート閣下に負けない歌唱力の彼女を相手に、我が吉田鋼太郎も唄っちゃうのだろうか・・・と、心配しながら観に行ったの。
 でもそれは杞憂だった。まあ、歌はあったけど、基本はストレートプレイだった。一路真輝の歌はさすがで、歌唱力にちゃんと表現力が劣らずあって。彼女の復帰を待っていたファンへのサービス、といったところかな。モチーフが若年性アルツハイマーという深刻なものなので、芝居がどうしても暗くなりがちなのを、唄うことで救おうとしたのかな、とも思う。

 しかしこの深刻なテーマを芝居で観ることは、なかなか大変だったの。吉田鋼太郎の芝居はあくまでリアル。少しアクの強い、でも敏腕の音楽雑誌編集長である主人公が、病気の進行とともに、約束を忘れ、仕事を忘れ、やがて妻の名前も忘れ、豊かな表情も失われていく。上手いので辛い。それを受けとめる妻の献身と悲しみが涙を誘い、客席のあちこちで鼻をすすり目頭を押さえる光景が見られて。かく云うマダムもちょっとうるうるしちゃったのだけれど・・・でもここまでなら芝居である必要は無いな、とも思えたの。テレビのドキュメンタリーを見れば、いくらでも現実を見ることができるし、現実はもっともっと過酷なものだろうと思うし。
 途中にはいる歌のシーンが、深刻になるのを防いでいるとも言えるし、その一方できれいごとにしちゃったとも言えるのね。そこのところのさじ加減は凄く難しいな・・・。

 G2という人はもっともっとはじけ飛んだ演出をする人だと勝手に想像していたので、普通に真正面から描いていることに驚いたの。でもこのテーマを板に乗せるなら、思いっきりはじけちゃうか、深く掘り下げて地球の反対側に突き抜けちゃうか、どっちかにしたら良かったのに、と感じたわ。
 特に今、人間っていつ死ぬかわからないんだってことを皆が心に刻み込まれている時期だから、もっと勝負に出てほしかった。このテーマでおばさんたち(おじさんも?)うるうるするのはあたりまえで、その先がなくっちゃね。

« 小田島先生、恋に落ちる | トップページ | 友達が作家になった! »

吉田鋼太郎」カテゴリの記事

芝居レビュー 」カテゴリの記事

コメント

マダムご観劇の1日前、16日の土曜ソワレで観劇して来ました。
ロックマガジンの編集者〜とか聞いていたので、もっとロックガンガンの歌が流れるのかと思っていたら、割とバラード調でしたね。
G2さんの演出は、深く掘り下げるというよりは、難しいテーマを万人向きに調整する「職人仕事」なことが多いように思います。単なる直感ですけれど。

鋼太郎さんに関しては、朗々と長セリフを披露する芝居より、こういう世話物(とは言わないか?)に出てる時の方が好き。「ガマ王子〜」をご覧になっていないのは、もったいない。映画になった「パコと〜」は似ているけれども別物と思っていただいた方が良いと思います。

「子供のための〜」はいらっしゃいます? なかなか評判良いみたいですね。

謙さんの「明日の記憶」は、この病気の存在そのものを知ってほしいという謙さんの思いがありましたが、この映画を観てしまったから、舞台はもういいかなと思いました。
それこそ、暑いなか、チケット代と大事な時間を使って、得るものがありそうかな?と考えてしまうんですが、そうすると、舞台から遠ざかってしまいますね。

7月18日(月)の読売新聞、くらし家庭欄に半ページほど、風間杜夫さんが落語とのかかわりについて、書かれています。お知らせ、遅くなってしまってごめんなさい。落語をなさっているカラー写真あり。8月12日、横浜市で落語会を開催する予定だそうです。

ぷらむさま。
ホントに「ガマ王子」を見なかったのは後悔してます・・。
身体が三つあるといいんですが。もちろんその場合、予算も三倍ないとだめですけど。
「子供のためのシェイクスピア」もいけないかも・・・(泣)。

たかちゃんさま。
演出家を新たに開拓したい!と思っています。なので、今までのような芝居の選び方じゃダメと思ってはいるのですが、勇気が足りなくて、ね。
風間さんと言えば、来年、蜷川さんの芝居に出るという噂があるんですよ!・・・って結局いつものパターンに戻ってしまうマダムなのでした。

どうして、観たい演目って時期が重なるんでしょうね。
なんやかんや言いつつ、私も「子供のため〜」はパスしてしまいました。

話は変わりますが「偉大なるしゅららぼん」を先日読み終わりました。
面白かった〜〜!!! 展開がまったく読めずにワクワクしたのは久しぶり。
終わり方もカッコイイ。
私は「良く出来た物語」って、演劇・小説・TVを問わず、
登場人物たちが、その話はひとまず終わっても、宇宙のどこかで
今も確かに生きて、彼等の世界感の中で笑ったり泣いたりしている〜
と信じていられる物語なんじゃないかと思っていて、
この話は、まさにそんな物語でした。

ぷらむさま。
「しゅららぼん」よかったでしょう?
大風呂敷広げ過ぎとの意見もあるけど、もうこの際、どんどん広げちゃって!と言いたくなります。
琵琶湖に行ってみたくなりました。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 小田島先生、恋に落ちる | トップページ | 友達が作家になった! »

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

関係するCD・DVD

無料ブログはココログ