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竜也&鋼太郎でシェイクスピアを

 つかこうへい追悼特集に惹かれて『悲劇喜劇10月号』を買ったら、思いがけずいい記事に出会ったので、ここでご紹介を。

 『悲劇喜劇』に演劇時評というコーナーがあって、ここ一ヶ月くらいの芝居について二人の論客が意見を述べあうの。ひとりは学者の河合祥一郎で、もうひとりは朝日新聞芸能記者の山口宏子。
 新聞の劇評より詳しく語られるし、二人で話し合う形式なので、意見が違うことも多く、それが逆に面白い。男性と女性で見方が変わる芝居もあるしね。なので、いつも熱心に読んでいるんだけど、今回は格別だったのよ。26ページ中8ページを『黙阿弥オペラ』と『ムサシ』ニューヨーク公演に費やして、しゃべっているの。
 話はまず『黙阿弥オペラ』で五郎蔵役が、以前の角野卓造と今回の藤原竜也でどのように違ったのかに触れ、角野卓造の演技が素晴らしく「特に中盤以降は、角野さんの方が(年齢的に)自然に感じられるのは確か」だ、と言うのね。でも「今回藤原さんが演じたことで、新しい五郎蔵が見えた」と論じて、詳しい中身を解説してくれているの。そして「デビューからずっと、ドラマチックな舞台の主役を演じ続けてきた藤原さんにとっては、今回のような群像劇に出るのは新鮮で、いい経験になったよう」だと言ってる。ホントだよねえ。五郎蔵は厳密に言えば主役ではない。でも主役じゃなくても、藤原竜也がやれば輝く役は沢山あるんだから、主役にこだわり過ぎないでホンを選んでほしいとマダムも思っているのよ。
 そしてもちろん、吉田鋼太郎の黙阿弥についても語られてる。「『ムサシ』での柳生宗矩役で、奥深い円みのある人物造形を見せてくれました。ユーモアもあり、なおかつ深みのある人間も演じられることを証明してくれた。もちろん、鋼太郎さん自身は「そんなことは前から出来ていた」と思っているでしょうが、今回この新七という『黙阿弥オペラ』のタイトルロールで、絶対的にそれを証明してみせてくれましたね」。そうそう。マダムも頷くことしきり。

 二人の論客の話はこの二つの芝居についてだけで8ページに及び、それだけで雑誌を買った意味があったなあと思ったわ。そして、その部分を締めくくる河合祥一郎の言葉がねー、良いのよお。「竜也さんと鋼太郎さんが『ムサシ』で大成功を果たした上で、『黙阿弥オペラ』をここまで充実したものに仕上げたのは、やはり実力ですね。そしてチームワークの良さ。いずれお二人にはシェイクスピア作品でも共演してほしいと思います」!!!!そうよ、そうなのよ。いずれと言わず、今すぐ二人でシェイクスピアをやっておくれー!

 という訳でマダムの最も切実な願いを代弁してくれた対談、一読の価値あり。是非、皆さん、お読みくださいませ。

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コメント

Viola-sama
吉田さんと藤原君でシェイクスピア!
ぜひぜひ実現してほしいです。演出は蜷川さんで!
二人の競演は『オレステス』や『天保十二年のシェイクスピア』もありますが、シェイクスピア劇で見てみたいです。
あの二人ならどの戯曲があうかしら?」

Mickeyさま。

そりゃなんといってもイチオシは『ハムレット』じゃないでしょうか。もう一度藤原君にハムレットをやってもらい、鋼太郎さんはクローディアス。
あとは誰が演出できるかに問題がありますけど、『ヘンリー四世』。ハル王子が藤原君で、フォルスタッフに鋼太郎さん。これ、今の二人にぴったりだと思うんですよ。
鋼太郎さんのオセローに藤原君のイヤーゴーもいいと思うんです。藤原君、凄く悪い奴をやったことないですものね。藤原君の悪役、観てみたいです。

ヴァイオラさま
藤原ハムレットは2003年の時の衝撃が強くて、またキャストも私的には最高だったので(井上芳雄くん、小栗旬くんが競演、ホレイシオは高橋洋さんだし)、もし藤原君と吉田さんが競演するなら、と考えた時、無意識に外していました。

でも、あれから7年、そろそろハムレットの再演をしてほしいです。吉田さんのクローディアスandハムレット王はぜひとも見てみたいです。

『ヘンリー四世』は読んでいませんが、フォルスタッフって、確か太ったおじさんですよね?

藤原君の悪役もいいですね。2作目の『大正四谷怪談』の伊衛門は悪役です。DVDを見ると、まだ十代なのに、色悪のムードが漂っています。すごーい悪役を見てみたくなりました。イアーゴーはぴったりですね。

マダムさま、読みましたよ~
山口さんのNY公演レポも興味深かったです。

藤原竜也さんのハムレット再演に、吉田鋼太郎さんのクローディアス、是非是非是非!!
以前、鋼太郎さんが蜷川さん演出でオセローをやられた時、イアーゴーが藤原さんならなぁ、とちょっと想像しました。あ、高橋洋さんのイアーゴーもとっても良かったんですけどね。

Mickeyさま。

『ヘンリー四世』。今ひとつ日本では馴染みがないんですけど。王子が身分を隠して、ロンドンの町中で遊びほうけていて、王様を嘆かせてるお話です。でもやがて王子はその遊びの経験が生きて、優れた王様になる。その遊び相手の、飲んだくれで女好きの大男がフォルスタッフです。鋼太郎さんじゃなくてもやる時は、詰め物をして身体を膨らませないといけない役ではあるんですけど。
今の藤原君と鋼太郎さんの関係性(役者としての師弟関係&仲間意識)が、この役の関係にぴったりだなあと思うんです。

shuさま。

高橋洋さんもいい役者さんですよね。舞台に還ってきてほしいと思ってます。
でもそれとは別に、藤原君のイヤーゴーが観たいですよね!主役じゃないけど、ある意味主役以上のいい役ですもん。
これはちゃんと記事に書いて、どこかでホリプロの人の目に触れるようにしないといけませんかね。

そっかー。鋼太郎さんと竜也くんって「シェイクスピアでは」共演がないのですね。なんか、いつも一緒に観てるような気がするので、当然、共演してるような気になってました。

竜也君は、若いときからいい役者さんだと思ってましたが、セリフを言うときに、変に喉を絞ったみたいな発声をするのが、すごーく気になってます。なんか、わざと喉つぶしてる? みたいな。

ぷらむさま。

藤原君は、力強い声を出そうとする時、文字通り身体に力が入るんだと思います。それで喉が締まる。それを突破するためにもっと大きい声を出す。たぶん最初の「身毒丸」の時から身に付いた癖なのかも。でもホントに大きい声を出しつつ感情の強弱をこめるためには、余計な力は抜いてないといけないんじゃないでしょうか。
鋼太郎さんは、そういうところが自由自在ですよね。だから、共演して鋼太郎さんから学ぶところが大きいと思う。「黙阿弥オペラ」ではずいぶんいい声が出るようになったんじゃあないかしら、と感じてます(ちょっとマダムのひいき目もあるかも)。

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