最近の読書

« トリュフォー映画のポスター | トップページ | 役者同士の散らす火花が見たい 『ヘンリー六世』速報 その2 »

役者同士の散らす火花が見たい 『ヘンリー六世』速報 その1

 おにぎりを4個作り、水筒に温かいほうじ茶を満たし、のど飴も完備。身体を締め付けない服装でカイロを貼り、出がけにバナナを1本食べて糖分を補給していざ出発。さあこれから春山登山だ!んなわけないでしょ。向かうはさいたま芸術劇場。3月11日。初日。

『ヘンリー六世』前編・後編
 作・シェイクスピア 演出・蜷川幸雄
 出演・上川隆也 大竹しのぶ 吉田鋼太郎
    池内博之 立石涼子 横田栄司 ほか

 正直にまず、言います。疲れました。1時に幕が開き、終わったのは9時半。チラシには6時間と書いてあったけど、実際には7時間だったのよ。途中15分の休憩2回と1時間の大休憩があったけれど、最終幕にはこちらの集中力がちょっと途切れがちに・・・。だけどね!これはマダムの体力の無さだけのせいではないの。おいおい説明するけど。とにかく、これから見る方達に、体力気力がいりますよ、とまずは言っておきたいわけなの。

 そして観終わった時に真っ先にマダムが思ったことは、ああ、去年の新国立版、なんで第三部を観なかったんだろう。一生の後悔だ・・ってこと。
 だってやっぱり、いろいろ比べちゃうところがあってね。でも第三部を観てないと、一番肝心のところが考えられないじゃないの。

 マダムの席は3階の見切り席だったので、見えにくい部分があったことは確かだけれど、通路を含めて芝居全体を俯瞰で観ることができて、それはとてもよかった。なにより、衣装が美しくてね。貴族たちがたなびかせるマントのデザインが素敵なの。基本デザインは皆同じだけど、背中にそれぞれ違う特徴ある生地が張ってあって、背中からでも誰だか分かるの。
 だけど、お話が戦闘モードになって皆が軍服になると、とたんに誰がどっちの人かわからなくなるのよ。白バラ紅バラマークが小さ過ぎて! これは疲れるよ。人物の敵味方がしょっちゅう入れ替わる話なので、一目見てどっちの側かビジュアルでわかるようにしてくれないと! あれ、今殺された人、どっちの人だっけ?って考えてるうちに話が進んじゃうんだもの。新国立版では、マダムはなんの予習もしてなかったにもかかわらず、敵味方が分からなくなることがほとんどなかったのに。
 新国立版より、ビジュアルはずっと美しい。でも、新国立版よりパッと見、わかりにくい。で、このわかりにくさは長時間芝居についていくにはかなり致命的なことだとマダムは思った。
 だからこれから観る方は(って、ほとんどそうだろうけど)、主要な登場人物の名前と、大まかな敵味方関係だけでも頭に叩き込んでおくことを、勧めるわ。


 新国立版(というより鵜山演出版と言わなきゃね)は、どんなに人物入り乱れても物語の真ん中に無垢で無力なヘンリー六世が常に存在していたの。
 それに対して蜷川版はね、圧倒的に大竹しのぶのもの。大竹しのぶは前半でジャンヌ・ダルク、後半で王妃マーガレットの二役で、7時間ほぼ出ずっぱり、しかも両方の役で殺陣がある。どれほどの体力と技術なんだ!凄過ぎるわ。
 これを観るだけでも価値がある。と言っちゃいたいけど、それでいいの?とマダムは激しく思うの。違うでしょう? 芝居は役者を観るものでもあるけど、役者同士が台詞をやり取りする時に生まれる化学反応こそを観るものよ。激しく散る火花が観たいのよ。
 大竹しのぶと火花を散らしたのは、ダブル主演である上川隆也だったろうか? ファンには残念なことだろうけれど、そうではなかったの。ヘンリー六世はひたすら優柔不断な内向的な役で、誰かと火花を散らす役ではないし、それを望んでいただろう彼がちょっと気の毒に思えたよ。
 大竹しのぶとがっぷり四つに組んだのは吉田鋼太郎だった。さすがだー!日本を代表するシェイクスピア役者。(言っておくけど、マダムはえこひいきなしだからね。)
 その2に続くよ。

« トリュフォー映画のポスター | トップページ | 役者同士の散らす火花が見たい 『ヘンリー六世』速報 その2 »

シェイクスピア」カテゴリの記事

吉田鋼太郎」カテゴリの記事

芝居レビュー 」カテゴリの記事

蜷川幸雄」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
長時間観劇、お疲れさまでした。

うむ・・・・私は、新国立/鵜山版が、けっこう気に入ってしまったので(もちろん水筒とおにぎり持って出かけましたとも)、蜷川版は「観ない」という選択をしました。

ジャンヌ・ダルクとマーガレットを大竹さんがなさる という情報があった時点で「しのぶ祭りになるんだったら、もういい」とも思いました。

んんんん・・・・でも、演劇は良くても悪くても観た者勝ちですよね・・・・・「観ない」選択が良かったのか悪かったのか(笑)。

でも、さいたまで7時間の根性はないので、きっとこのまま観る努力はしないと思います。マダムのレポで観た気分に浸ることにいたしましょう。続編を楽しみにしています。

ぷらむさま。

やっぱり水筒とおにぎりは、観劇を生き抜くための武器ですよね。今回はおにぎり6個でもよかったかな、と思いました。武器、ちょっと足りなかったわ。

そう、芝居は観たもの勝ちですね。新国立の第3部を観てないマダムはその一点で負け犬です・・・悲し。

続編、今日書きます。今日中にアップできるかなあ?

こんにちは。
初日、埼京線遅れていませんでしたか?
主人が朝、赤羽でホームに人が溢れていて、
迂回して仕事に行きましたから。

お疲れのところ、レポありがとうございます。大竹さんの舞台、2回見ていますが、
あの方と火花を散らすのは大変です。

スイニートッド(ミュージカル)のとき、
市村さんは抑え気味の演技のトッドだったせいもあるのか(私は抑え気味のほうが好きですが)、大竹さんに負けていたかも(苦笑)。

最近、蜷川さんの舞台に感動できず、暫く
観劇していないんです。彩の国のシェイクスピアシリーズは、埼玉県民として頑張ってほしいんですが・・・。

たかちゃんさま。

確かに埼京線は遅れてまして、開幕もそれにあわせ10分くらい遅くなってました。
いやー、疲れました。眼は血走ってるし、腰は痛いし、首はこってるし。でも疲れたけど、早く書いてしまわないと、書く元気も消えてしまいそうで。
それに珍しく初日に行ったので、これから観る方にいろいろ呼びかけなくちゃ、って、まあ、要らぬお節介ですわね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« トリュフォー映画のポスター | トップページ | 役者同士の散らす火花が見たい 『ヘンリー六世』速報 その2 »

2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

関係するCD・DVD

無料ブログはココログ